気になるあいつに聞いてほしい!


 松田ミサ。背が高くて、まっすぐのボブの綺麗な女の子。

 この学校に入って仲良くなった。


 6クラスある中で1人も同じ中学校の友人がいないのは、2人とも同じだった。


 誰にでも物おじせずに話しかけ、気さくで豪快に笑う、本当に面白い子なんだ。




 ミサには、中学の時から付き合っている彼氏がいる。ミサより背は低いけど、とても頭がいいらしい。高校が離れてからは、月に一度必ず会うことにしている、とミサは言った。

 「まぁ、大変だよ~。あたしは優太が普段どんな感じか全く分かんないし、それは向こうも一緒だもん。優太は男子校だからあたしは心配してないんだけど、あの子はやっぱり不安みたいだよ。」

 
 「すごい進学校なんでしょ?」

  

 ミサは苦笑いした。
 「この辺で言えば、ダントツですごいとこだよ。」


 「昔からすごく頑張ってたから。どうしても宇宙工学、やりたいんだって。そういう真っ直ぐなところが好き。」




 けらけらと笑うミサは、なんだかさみしそうに見えた。彼女は、国立病院に勤める医者の一人娘で、結構有名な存在だと周りから聞いた。
 お金持ちでいいよね、などとみんな言うけれど、ミサにも周りに見えない、プレッシャーがあるんだろう。


 
 「別に、親にも医者になりなさいとか、そういうこと言われてる訳じゃないんだけどさ。そんなの気にしたくないって思っても、周りが何かとうるさいんだよね。ほっといてくれって感じだよ。」




 ミサは、エビが入った昼食のサンドイッチを食べながらそう言った。






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