冷たい彼

結城さんの一言でピキーンッと空気が固まったのがわかった。
皇雅さんの怒りの一言でこんなに空気が重くなっちゃうの…!?

「少しは沙彩の気持ちも分かってやれよ」
「…おまえ、沙彩の顔…見たのか?」
「見たけど、何か関係あんの?」
「…沙彩に何か言ったのか?おまえ」
「いや?なんも」
「つか何で沙彩って呼んでんだよ」
「沙彩は沙彩じゃねぇか」

…怖いよぉ、何このハイレベル以上に怖すぎる言い合い。

私の事って言うのはわかってるけど
けっきょく何かがわからない…。

「と、とりあえず走り?があるから行きましょう?皇雅さん」
「…チッ、行くぞ」

ぐいっと手を引かれ皇雅さんの後ろについていった。
黒と金の大きなバイクの後ろに乗ると皇雅さんがヘルメットをかぶせてくれた。

「…これ、新しい?」
「沙彩専用」
「…こんなのいいの?」
「俺が買ったからいい、落ちんなよ」

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