冷たい彼

何も言えない自分に嫌気がさした、きっとこれが…罰なんだな。

『…言ってよっ!もう私はいらないって、杏子のことお母さんに聞いて捜すから私はいらないって…私は代わりだったって言ってよっ!!』

沙彩はきっと何ながら言ってんだろうな…悲痛な叫びに俺は唇を噛んだ。

「…何も言わないなら…もう私に関わらないで…」

そんな言葉に思わず名前を呼ぶ…

「さあ『浅川さんなんて…大嫌いです』

遮られて電話は切れた、虚しく機械音が俺の耳に響いた。

何度かけても繋がらないと言うことはきっと電源を切ってる。
「クソッ…」

俺は壁を殴りその場に座り込んだ。
「明日…行くしかねぇか」




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