冷たい彼
「皇雅ぁ、何か言った?」
甲高い声に濃すぎる化粧、こいつは最近なぜか俺に寄ってくる。
「うぜぇ」
俺はガタッと席をたつとフラリと屋上にきた。
っ…何か叩かれてんだけど、誰だよ?
「起きて、浅川」
「てめぇかよ…」
俺のほほを叩いてたのは麻尋の女だった。
「清水。名前、あるから」
「で、何の用だよ」
「明日、沙彩の弟の誕生日なの」
…春真か。
「それで帰ってくるのよ、こっちに」
「で?」
「その時に、沙彩に告白するつもりよ」
は?
春真が…沙彩に?
「ま、私には関係ないけど…沙彩に幸せになってほしいと思ってるの。いいこと教えてあげるわ」