冷たい彼

「杏子さん何でずっと来なかったんだよー!」

何て少し怒りながら階段から下りてくる可愛い中学生くらいの男の子。

「…あ、の…私杏子さんじゃないです」

少し俯きながら言った。

「…はー、だから言っただろぉが。こいつ等に余計なこと言われたくないから…」

皇雅さんはため息をつきながら私を引き寄せた。
え、えっ!?

「栗原沙彩、俺のだから兄貴も皇紀も手ぇだすんじゃねぇぞ」

兄貴…ってことは皇雅さんのお兄さんと、弟さん、かな?

「あっ…えっと、栗原沙彩です。よろしくお願いします

皇雅さんの腕の中からペコリとお辞儀をした。
2人とも目を丸くして驚いている。

「言ったろ、杏子とはもう終わったんだよ。行くぞ」

そう言って私の手を引き階段を上る。
ど、どうしよう?
皇雅さんのお兄さんと弟さんは未だ私を見て驚いている。


 バタン 

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