冷たい彼
「沙彩、何心配してんだかしんねぇけど大丈夫だ。あいつ等が言ってたことは気にすんなよ」
「わ、かった…」
気のせいかも知れないけど…皇雅さんが優しい気がする。
これって両想い効果?
ふふっ、今でも…信じられないな、皇雅さんと想いが通じたなんて。
「何、笑ってんだよ」
「信じられないなぁ…と思って」
「何がだよ」
「こうして…皇雅さんと笑い合えていることが」
私はそう言って笑った。
「私みたいな人が、皇雅さんみたいにカッコよくて、強くて…優しい人と付き合ってる何て。…今でも、実感がないんだ」
私は立ち上がって空を仰いだ。
「実感、ねぇんだ」