冷たい彼
「…沙彩、行くぞ」
「うん」
4人で下に降りて…それはもう広すぎるリビングに通された。
「あらーあなたが沙彩ちゃん?」
「あ、はい…こんばんは!皇雅さんのお母さんですか?」
「そうよー浅川美羅【ミラ】です、よろしくねー」
終始笑顔の皇雅さんのお母さんはとってもふわふわしてて優しそうなお母さんだ。
皇雅さんの薄茶の綺麗な髪はお母さん譲りかぁ。
「さぁ、座って?皇紀、皇耶、皇雅、皇泰も」
みんな【皇】がついているんだぁ、カッコいいな。
ガタッ私の隣に座ったのは…皇紀、くん?
「皇紀、てめぇどういうつもりだよ」
「別にー皇雅がまた沙彩を襲わな…って!んで殴るんだよ」
「沙彩を呼び捨てにすんじゃねぇよ、つぅかどけ沙彩の隣は俺だ」
「ここ、俺の席だし」
バチバチと2人の間にはあるはずのない火花が見えた。
「まぁまぁ皇雅、いーじゃない。少しくらい譲って上げなさい、お兄ちゃんでしょー?」