冷たい彼



結城さんの鋭い瞳から…1粒の綺麗な雫が落ちていた。



「何でおまえがそんな悲しそうな顔すんだよ」
「わかりませよそんなこと、後私はおまえじゃなくて栗原沙彩です」

私には何もわからない…ブルートのことも、浅川さんのことも
…そして…、
杏子さんのことも。

「わからないよ…わからない、何もかもわからない」
「…じゃあ、沙彩でいいな?」
「はい?」
「沙彩って呼ぶけど言いかっつってんだよ」
「は、はい」

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