冷たい彼
「…もしもし?」
するとあのおぞましい声が聞こえたの…。
体が不自然に強張り、変な汗がひやりと背中を伝った。
『あ~、沙彩かぁ~?』
「うん…」
『今おまえの高校の近くの公園に来てんだけどさぁ、会おうぜ!』
「い、いい今、授業中で…」
『俺の言うことが聞けねぇのかよ』
私が断ると声が低くなった。
「っ…、あ!」
『何だよ?』
「てめぇが沙彩の元カレか」
私の手からするりとケータイを奪い取ったのは…浅川さん。
そして私をキュッと抱きしめてくれた。