冷たい彼

私は浅川さんがたまに見せてくれる不器用な優しさが好き…。

少しだけ…私も浅川さんに好かれてるのかなっていう、自信が持てちゃうんだ。

『あ? 今カレだよ、誰だよてめぇ』
「沙彩のカレシだけど、何か文句あっか?」
『あ?沙彩のやつ浮気かぁ?後で締めとかなきゃなぁ。てめぇも「動くなよ」

 ブツッ 

そう言って浅川さんは電話を切った。ガタンッと乱雑に立ち上がりフラリ、ドアに向かう。

「こ、皇雅さん、どこに?」

「干渉すんな」

…そうだった、調子に乗っていろんなことを聞きすぎた。
カレカノはカレカノだけど…

干渉はしてはいけない。

これが私達カレカノのルール。掟。

ってゆーか前はいいって言ったじゃん!
何て言えないけど。

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