冷たい彼

「ハァッ…」
スーと息を吸い込み深呼吸をした。

そしていつものように颯爽と去っていくのかと思ってたけど今日は違った。
綺麗な黒曜石のように黒い、切れ長の瞳で私を見つめてくる。

「あ、の…何か?」
私は恐る恐る聞いてみた、するとニヤッと笑った…。

え?
…笑った!?

笑ったところを初めて見た。
か、っこいいなぁ…さすが容姿は格別だもんね…モテモテだもんね。

「沙彩、呼べよ」
「…え?」

「俺のこと呼べよ、沙彩」


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