冷たい彼
私が標準ってのは嘘…はい、標準より低いです…少しだけ!
…皇雅さんは…標準より大きいんだろうなぁ。
「…キャアっ!」
急発進した皇雅さんの黒と金のバイクはグラリ、大きく傾き私は皇雅さんのおなかに思わず腕を回した。
「そうしときゃあいいんだよ」
何て整った顔立ちで言われるものだから私の頬は紅潮した。皇雅さんは変なところでためらいがなさ過ぎるんだ。
「ど、どこ行くん…どこ行くの?」
あ、また敬語…。
慣れって怖い。
「ナイショな」
何て信号で止まっているときに人差し指を唇にくっつけて甘く囁くもんだからもう私はノックアウト寸前!
その容姿でその行動は反則ですよ、皇雅さん。
いつもそんな甘いことしないのに…。
クラァ…。