ウソつき恋愛<番外編追加>
第6章
ウソをつくことをやめた日
ガラガラッ、と少し乱暴に保健室のドアを開ける。
「祥!」
祥の姿を見つけて、あたしは駆け寄った。
今は気まずいなんて、考えてられなかった。
「祥、大丈夫?どこケガしたの?」
あたしが祥に問いかけると、祥が口角を上げた。
「俺、ケガなんてしてねぇよ」
その言葉に耳を疑う。
「え、だって梨々花が」
「それは麻結を呼び出すためのウソ」
しれっと言いのける祥。
聞けば、梨々花に頼んであたしを呼び出してもらったのだとか。
それを聞いて、体から力が抜ける。
思わず、その場に座り込んでしまった。