恋を知らない僕たちは。
りいこは一度拗ねるとなかなか機嫌を直さない。
たぶん、今日うちに来ていいって言ったらすぐに機嫌も良くなると思うんだけど。
なんとなく、タケとりいこを一緒に部屋に呼びたくない。
というか、りいこのことを「狙ってる」タケとりいこを会わせたくない。
ふぅ、とため息をつくと、前の席の女子が、くるっとこっちに体を向けた。
「どうしたの?なにか悩み事?」
なんでもないよ、と返して愛想笑いを浮かべる。