鬼と天使と少年と、



帰り道、俺は途中でなんとも綺麗な鳥を見つけた。


ああ、そうそう。青い鳥だ。
しかも俺の肩に乗ってきちゃったぞ。


幸せを運ぶっていうけど、本当なんかな~……なんて思っていると、上から微かに声がした。


上っていうと、青い空が広がっているわけで…………、その中になんとも不似合いなピンクがポツリと見える。


……って、ピンク?


ピンクのドレスを身に纏い、きらきら輝くティアラを頭に乗せた……俗に言う、【お姫様】とかいうやつだ。


どういうわけか、王室にあるような……王様が座っていそうな豪華な椅子に座って空にふよふよと浮いている。


赤い生地に、金の刺繍と合金で縁(ふち)取られたその椅子は、なんとも可憐なお姫様を乗せたまま……



何故か俺の目の前に降り立った。


え、なんで?


目を丸くしてお姫様を見つめていると、さっきまで俺の肩に乗っていた青い鳥がパタパタと羽を動かしてお姫様の元へと飛んでいった。


どうやらこのお姫様が飼い主だったみたいだ。


青い鳥に向かって、「どこ行ってましたの?」と優しく撫でながら問いかけている。


なーんか、こういうのって微笑ましいよな~。


美少女と小鳥……うっわ、なんかすごい絵になるんスけど。

これ写真にして売ったらいくら儲かるかな……。



なんて阿呆なことを考えている俺に、お姫様が視線を向けてきた。

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