鬼と天使と少年と、



あの後俺ら阿呆トリオは空気を読んで先に教室へ向かった。


だけど、向かおうとする前に爺ちゃんに引き留められたので、倭草と雨乱には先に行ってもらった。



「佐雄、後で話そうかぇ。お前も薄々気になっておるのだろう?全部とまではいかぬが………お前の知りたいこと、答えてやるわぃ」


「……うん。あの、爺ちゃん」


「佐雄。

わしは、綺麗なんかじゃないぞぇ」


「………また、後でね。爺ちゃん」



それだけ返事をして、俺は先に教室へ向かった二人を追いかけた。


それと、ちょこっとだけ見ちゃった。



剣牙が爺ちゃんを憎たらしそうに睨んでいたところを。



爺ちゃん。

爺ちゃんは何か悪いことを、あの二人にしちゃったの?

十六夜さんとの関係も分かんないし……。



「…………。」



謎が増えるだけで、俺はただ走ることしか出来なかった。

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