鬼と天使と少年と、



教室に戻ると、先輩方4名がまたわぃわぃと机に座って(なんと行儀の悪い!)駄弁っているところだった。


「?」おかしいな……。倭草と雨乱が見当たらない。俺より先に来てるはずだよね?


そう思いながら教室に入っていくと茄希(なき)先輩が俺に気づいたようで、席に鞄を置いた俺に近づいてきた。



「おはよう、もうここの生活には慣れたかしら?まだ来てから4日しか経ってないけどね」


「いえ、結構慣れました………というか。色々あり過ぎまして……」



慣れっていうか、予想外過ぎて逆にフツーの生活が送れている。


まあ、一種の現実逃避だよね。



「?……そう。それとね、敬語なんて使わなくていいのよ?あなた達は実力でここ(高等部)に来たんだから」


「うー……でもやっぱり年上というか、なんというか……」


「私が年上……オバサンに見えるってことかしら」


「え?!い、いや別にそーゆう意味なんかじゃ決してっ……」


「なら、敬語は使用禁止よ。わかった?」


「………。」



この時、俺は初めて知った。


年頃の女の子を怒らせることは、爺ちゃんのおやつを間違って食べちゃった時と同じくらい、


恐いんだと。




女ってコエー。

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