鬼と天使と少年と、
おまけに一番フリフリしているであろうドレスを出して雨乱の目の前で掲げだした。


男組は思わず『うっわぁ…』な顔。



「あなたにはこのドレスを着てもらいますわ!ふふふ……観念なさいっ!」


「いっ………嫌ですぅうううッ!!」


「あっ、雨乱……」



泣き泣きな顔で雨乱が教室から飛び出した。逃げんな雨乱ッ、いや気持ちは分かるけども!



「あああっ、佐雄、今すぐ雨乱追いかけようぜ!早くしねぇと雨乱がヤベェッ!」


「わ、わかった。倭草はとにかく全力で追いかけてくれ。俺は魔法でなんとかするから!」


「は?佐雄も一緒に追いかけ………って、ああ。そういやお前運動ダメだったっけか」



哀れみを含んだ表情で倭草が俺に視線を向ける。

失礼な奴め。


とにかく雨乱を捕まえなくては。

倭草が言うとこの"ヤベェこと"になるらしいからな。



「じゃあ俺は雨乱を追いかけるから…………「わたくしも追いかけますわ!」……え?」



今まさに倭草が教室を飛び出そうとした時、KY姫サマまで追いかけるなぞと言い出した。



「ふふふ……乙女の夢を叶えるため!あの女顔っ子には是非ともこのドレスを着てもらいますわ!

このわたくしから逃げられると思って?オーッホッホッホ!」


男子一同「………。(青ざめ)」



女装が乙女の夢なんだろうか。


女の子って、難しい。



つーか姫サマって、どっちかっつーと女王サマにしか見えないのだが。怖い恐い。

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