鬼と天使と少年と、
「よう、佐雄。あれから全然会ってなかったよな。前会ったのは4日前だっけか?」


「あ、あはは~。そうだねぇ、ほんとあの出会った日は忘れられないよ。
【出雲】(いずも)」


「おう、いい思い出だよな」



どこらへんが?

え、何この人どうしよう。俺を殺そうとした事すっかり忘れちゃってるよ。え、え、何それ。そんなのあり?



「と、ところで出雲はここで何してたのさ?探し物とか?」


「んにゃ、別に………ああ、でも。確かに誰かを探してはいるな」


「へぇ、じゃ、俺はもう行くね……………っとと、」



ザ・愛想笑いでこの場から立ち去ろうとした俺。だけど進もうとしたら後ろから出雲に引っ張られた。


………あの、出雲くん。別に俺は犬とか猫じゃないんで首根っこ掴まんでください。



「おいおい佐ァー雄。お前つれねぇな。ちったぁこの俺様に付き合おうとか思わないワケ?」



ハイ出た俺様ー!!

もうホントやだよこの人!そーゆうのは女の子相手にやってくんない?男相手だとゲンナリもんだから。



「つーかよぅ。俺様のことは聞いといて自分の事は何にも言わナッシングはねぇだろーよ。なぁ、佐ァー雄」


「そ、それもソウダネ………はは…」



引きつった笑いの俺に対し、出雲はニヤリと嫌な笑み。うげ、寒気が…。


っていうか忘れてたけど、結構この人シツコイんだった!うっわヤベー!

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