鬼と天使と少年と、
それと、1つだけ思い出した。




『へぇ、あんた、佐雄ってんだな』


『私たちと友達になってくれませんか?』


『俺(私)は、佐雄と友達になりたいんだ(です)』


『誰でもない、お前(あなた)とー……』




「ー………。」



嗚呼、ほんっと阿呆だなぁ俺は。


大切な思い出、忘れちまうとこだったよ。いっけね。



「佐雄……?」



固まって動かない俺に動揺を隠せない倭草は、何をしたのかと姫サマを責め立てる。


ほんと、阿呆だよ。
俺も、倭草も。



"友達"、かー……



二人は俺を裏切らないし、
俺も二人を信じてる。



だから、



「なぁ、倭草。雨乱の話……聞かせてくれよ」


「あぁ、…分かった」



逃げるのは、もう止めよう。

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