鬼と天使と少年と、

「いねぇ、いねぇ、いねぇいねぇいねぇッ!ったく、どこに行ったんだよ雨乱の奴……」


「こっちの教室も探したけどいなかったし………うーん、これでもう学校内全部回ったよね?」


「あぁ、だから俺たちと擦れ違ってる可能性が………………待てよ、もしかするとアイツ、」



顎に手を添えて何やらブツブツ言ってらっしゃるイケメン鬼こと、【倭草】(わぐさ)。横顔にも惚れ惚れですわ。



「心当たりでもあんの?」


「………んにゃ、ダメもとであるっちゃあるが……うん、よし。行ってみよう」



いやだから何処に?



「今は使われてない旧校舎の地下室」


「何ソレなんか出そうなんですけど?!」



雨乱見つける前にバケバケヤ~に見つかっちゃったらどうすんの!


そう抗議する俺に倭草はキランと妖しげな笑みを浮かべた。



「安心しろ。俺がついてる」

「倭草……」

「まぁバケバケヤ~に物理攻撃が効くかっつーとそうでもないけど……。
うん、まぁ、なんとかなる」


「…………。」



あんたが一番心配だよっ!

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