鬼と天使と少年と、
「無理ムリむりいっ」騒ぐ俺に、
「意気地なしの駄目人間」一喝する倭草。
え、ちょっ、なんかあなた冷たくないっすか。わお、俺泣いちゃう。
しくしくと泣きマネをする俺を無視して(ひでぇ!)倭草は腕をつかみ、無理矢理旧校舎へと俺を引きずっていったのでした。
でもまさか、
ほんとにバケバケヤ~が出るなんて……………がっくし。
*同時刻
「ふふっ、まだ気づいてないようですねえ………まったく、これだから愚かなる人間風情は嫌いなんですよ、僕は」
「そう言うな。貴様とて昔は……ああいや、なんでもない故、そう睨むな。
……ところで、アレをどうするつもりだ?見たところ、ただの女に見えるが……」
「あれえ?女じゃないですよ、アレは男です。し・か・も、天使なんですからあ」
「なに?天使だと?………ふむ、これは面白いことになってきたな。
のう、【白夜】(びゃくや)よ」
「ふふっ、それでは偵察に行ってきますね。この愚かな、酷く滑稽な舞台を更に盛り上げるために……ね。
それでは、我らがボス」
怪しげなゴシック調の部屋にて。
深紅の盃(さかずき)に入った酒をごくりと飲み干す、ボスと呼ばれた男。
その視線の先には、焦点の合っていない目で窓の外をぼんやり見つめる天使の姿。
闇を喰らう空腹の獣に
囚われし天使
おや、そっちに行っちゃいけないったら。
そっちにいくともう、
"戻れなくなってしまうよ"
天使
天使
哀れな天使
どうか
その身に神の加護があらんことを