鬼と天使と少年と、
*
「お前ッ……!」
なんと、爺ちゃんが捕まえてきたのはアノ倭草の偽者だったのだ。
倭草の偽者ということも含め、俺たちを遠くから監視していたこの輩に自然と顔が強(こわ)ばる。
「あっ、佐雄!よかった、無事だったん………」
「ちがう」
「え?」
“にっこりと笑う倭草”に、俺は首をふって偽者を睨みつける。
「倭草じゃない。お前が、倭草のハズがない」
「は?ちょ、何言って……っ」
「だって、俺の知ってる倭草はそんな笑い方しないし、焦ってる時にすぐ冷静になって考えられるタイプじゃないしっ、なにより!
無情に相手を殺したりなんかしない!
例えそれが突然襲ってきた奴でもっ、倭草ならソイツを押さえるだけで簡単に殺そうなんてしないっ!」
「さ、お……」
「……倭草は、優しいから」
ポツリと呟いた言葉に、偽者の倭草は力なく項垂れる。
爺ちゃんと十六夜さんは、そんな俺たちのやり取りを黙って見つめていた。
「……なんで、なんで倭草は消えたんだよ……そんなに俺が、頼りない?だから、俺から離れていった?……そりゃそうか、だって俺は………」
「佐っ………」
「ちげえよッ!!」
「「「?!」」」
爺ちゃんが俺の名前を呼ぼうとして、またそれを遮った偽者に、俺だけでなく爺ちゃんと十六夜さんも驚いた。
目を向けた先には、爺ちゃんお手製のロープに縛られた偽者倭草。
だけど、その目を見たとき、俺はまさかと目を見開いた。
息を荒くする偽者倭草。俺をキッと睨みつける偽者倭草。
その瞳はどこかで………
「お前ッ……!」
なんと、爺ちゃんが捕まえてきたのはアノ倭草の偽者だったのだ。
倭草の偽者ということも含め、俺たちを遠くから監視していたこの輩に自然と顔が強(こわ)ばる。
「あっ、佐雄!よかった、無事だったん………」
「ちがう」
「え?」
“にっこりと笑う倭草”に、俺は首をふって偽者を睨みつける。
「倭草じゃない。お前が、倭草のハズがない」
「は?ちょ、何言って……っ」
「だって、俺の知ってる倭草はそんな笑い方しないし、焦ってる時にすぐ冷静になって考えられるタイプじゃないしっ、なにより!
無情に相手を殺したりなんかしない!
例えそれが突然襲ってきた奴でもっ、倭草ならソイツを押さえるだけで簡単に殺そうなんてしないっ!」
「さ、お……」
「……倭草は、優しいから」
ポツリと呟いた言葉に、偽者の倭草は力なく項垂れる。
爺ちゃんと十六夜さんは、そんな俺たちのやり取りを黙って見つめていた。
「……なんで、なんで倭草は消えたんだよ……そんなに俺が、頼りない?だから、俺から離れていった?……そりゃそうか、だって俺は………」
「佐っ………」
「ちげえよッ!!」
「「「?!」」」
爺ちゃんが俺の名前を呼ぼうとして、またそれを遮った偽者に、俺だけでなく爺ちゃんと十六夜さんも驚いた。
目を向けた先には、爺ちゃんお手製のロープに縛られた偽者倭草。
だけど、その目を見たとき、俺はまさかと目を見開いた。
息を荒くする偽者倭草。俺をキッと睨みつける偽者倭草。
その瞳はどこかで………