鬼と天使と少年と、
*
うおう、なんか今、背筋がゾワッてした。
どうもー、駄目人間こと俺【佐雄】(さお)です。
好きなことは寝ること食べることのぐうたらっ子………
て、ふざけてる場合じゃないんだよね。
「え……倭草…いま、なんて」
震える声でわけもなく倭草を指差す。その指まで震えていて、なんだか滑稽だと自分でも思った。
「だから、姫さんと一緒にいたあの男だよ。名前、【剣牙】(けんが)だろ?」
「っ……そんな、」
まさか。
未だ信じられない俺だったが、いつの間にか隣に来ていた十六夜さんと爺ちゃんは「やっぱりな」といった風でさほど驚いていなかった。
二人は知ってたの?
「い、や……まっさかあ! 剣牙がそんなことする奴じゃないって。ほら、苦労人だけど俺の心配もしてくれたし、そりゃ確かに俺に毒吐いてきたかもだけどさ。でもやっぱり……」
「佐雄」
「っ……。うそだ、嘘だよ。嘘に決まってる……っ」
剣牙が俺を旧校舎に連れてこいって。
そんで白鳥に襲わせて。
信じたく、ない。
うつ向く俺の頭ンなかで、ふと出雲の声が木霊した。
『…………佐雄、多分だが別のファミリーが動いている。気をつけろよ』
ああ、出雲はわかってたのか。こうなることを…………………
………え?
わ か っ て い た ?
うおう、なんか今、背筋がゾワッてした。
どうもー、駄目人間こと俺【佐雄】(さお)です。
好きなことは寝ること食べることのぐうたらっ子………
て、ふざけてる場合じゃないんだよね。
「え……倭草…いま、なんて」
震える声でわけもなく倭草を指差す。その指まで震えていて、なんだか滑稽だと自分でも思った。
「だから、姫さんと一緒にいたあの男だよ。名前、【剣牙】(けんが)だろ?」
「っ……そんな、」
まさか。
未だ信じられない俺だったが、いつの間にか隣に来ていた十六夜さんと爺ちゃんは「やっぱりな」といった風でさほど驚いていなかった。
二人は知ってたの?
「い、や……まっさかあ! 剣牙がそんなことする奴じゃないって。ほら、苦労人だけど俺の心配もしてくれたし、そりゃ確かに俺に毒吐いてきたかもだけどさ。でもやっぱり……」
「佐雄」
「っ……。うそだ、嘘だよ。嘘に決まってる……っ」
剣牙が俺を旧校舎に連れてこいって。
そんで白鳥に襲わせて。
信じたく、ない。
うつ向く俺の頭ンなかで、ふと出雲の声が木霊した。
『…………佐雄、多分だが別のファミリーが動いている。気をつけろよ』
ああ、出雲はわかってたのか。こうなることを…………………
………え?
わ か っ て い た ?