鬼と天使と少年と、
ていうか、『赤の他人』て…。
「っ、なんだよソレっ…、なんだよソレなんだよソレなんだよソレぇええッ!
『赤の他人』てっ……、違うだろっ!そんな関係じゃないだろうが俺たちはあっ!お前が俺を忘れてもっ、俺はお前を知ってんだよアホー!
俺たちっ…、『ともだち』だろがッ!!恥ずかしいこと言わせんなバカアホ雨乱ーッ!!」
ぜぇっぜぇ、はあっ、はっ、…。
息荒く、うつ向き地面を何度も何度も拳で叩いた。何度も、何度も。
ところが暗転。
「へっ?」間抜けな声が出たと共に、俺の体はまたあの浮遊感に襲われ落下していき…、
……………………って。
「えっ……、ええぇええぇえぇええぇえええええぇえぇえぇぇええぇええぇええぇぇええぇぇえぇえぇええッ?!!」
ギュンッ、加速していく俺の体と、徐々に明るくなる周囲。
真下を見ればうっすらと地面も見えてきた。っ、てことは俺いま落ちてんだよねっ?!
「っ、おいおい…、嘘でしょ」
俺まだ死にたくないんだけど!
そんな俺の切なる思いも届かず。
落下速度は加速するばかりでこのままじゃ助かりそうにもない。
仕方なし、小さく口を開け俺は呪文を呟く。地面まで、あと20m。
17m、15m、11m、9、8、7、…。
「【żƒķß】(現に表せ)、」
5、3、2、1、…。
「【роб】(抱擁)」
0。
ボフンッ!
真っ白な羽毛が、俺の体を包み込んだ。