鬼と天使と少年と、

うむむ、さっぱりホイホイ。何がなんだかワケワカメ。

ていうか、俺をこの世界に連れてきたあの銀髪イミフ男は一体何がしたいわけ?
え、なに?妨害?俺の睡眠妨害?

べらぼうが、そこまでされるほど恨みは買ってないと思うんだけど。

だって俺、『へーわしゅぎしゃ』ですから? ふふん、ただし俺の睡眠妨害した奴にはミラクルアイテテビームを送っちゃうけどねっ。

べつにっ、あんたのための特製ビームなんかじゃないんだからねっ。ツンッ!


「「………。」」

「…………。」


なんか見られてた。
すごくアイテテ、なものを見るような目で見られてた。

え、まさかツンデレなりきり見られてた?いやん。

ていうか、俺の、心が、痛い。


このままでは非常にマズイので『別に俺は変な人じゃないですよアピール』をしようと、視線をちびっこ鬼天に合わせる。

すぐさま目をそらされた。

お兄さん泣きそう。


俺だってメンタルは強かねーんだからな!っていうか、ちびっこに冷たい視線で見られるほど俺顔に出てた?!

ツンデレ言葉は内心ですませたはずなんだけどねえもしかして滲み出てた?!


「おい雨乱、俺はあの『へんしつしゃ』をポカっとくから、お前は俺のオヤジをつれてきてくれ!」

「わかりました!」

「わからんでええわ!」


俺まさかの『へんしつしゃ』扱い?!
びっくりすぎて変な方言でちゃったよ!

内心号泣。されど親御さんを連れてこられては本格的にヤバイので(色々と)、なんとか魔法で雨乱の体を拘束させた。


ん?幼児相手に拘束はダメ?
いやいや別にやましい気持ちなんて…。

おいコラ変態いうんじゃないやい。
拘束つってもアレだぞ、【蔓の舞】だぞ。

ほっらあ、俺が転にゅ…飛び級初日に先輩たちにかけた魔法。

あ、あと俺が爺ちゃんにやられた魔法でもあるね。……非常になつかしみたくない。


なんにせよ、魔法で出した蔓にぐるぐる巻きにされ、身動きがとれないちびっこ雨乱くん。

はてさて、一体これからどうしたもんか……


「やっべえ、こいつホンモノの『ヘンタイ』だー!」


ヘンタイ言うなて。
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