鬼と天使と少年と、
的(まと)にぶち当たった魔力。

これで的(まと)だけ破れてくれればいいものを……ガックシ。

なんで天井までぶっ飛んでくんだよ
俺の魔力の馬鹿タレーッ!!


ああ、こんなこと前にもあった気がするぞ俺は……!


あれは確か初等部入りたての頃…。


まだ魔力を上手く扱えなかった俺は、身体調査と共に行われる魔力調査でとんでもない事をやらかしてしまった。



『それじゃ、次。佐雄くーん。あの式神さんを魔法で捕まえてねー』


『捕まえ、る…?』


『そうよー、こんな風に……えいっ』



先生がそう言うと動き回っていた式神は動きをピタリと止め、先生が魔法で出した縄によって縛られていた。


それを見た幼き俺はワクワクというか……興奮してしまって、魔力を抑えることが出来なかったんだ。


それはつまり……




『それじゃあ佐雄くん、力を込めて~?』


『えいっ』



ードガァァアアァアアァァアンッッ



「………。」



ああ、思い出しただけで泣けてくる。


式神を捕まえるどころか爆破させちった幼き俺の馬鹿タレ。

そして先生スミマセン。


あの後どうなったのかは……。
うん、思い出したくもない。

< 26 / 220 >

この作品をシェア

pagetop