鬼と天使と少年と、
「それじゃ、後は勝手にしてくれ」と言ってさっさと消えた先生に「おい、それでいいのか」とツッコミをいれたくなったが我慢我慢。


で、


残された俺たち阿呆トリオは無意識に顔を見合わせたわけだ。



「……どうするよ」


「どうすると言われましても…ねぇ?」


「んー、取り合えず誰から教室入る?」


「「佐雄」」


「何を理由に?!」



しかも即答ですかソーデスカ。

ねぇこれイジメ?
二人して俺をからかってる?


なんて内心泣き泣きになりながらも、俺は教室の取っ手に手をかける。


ーガラッ


音をたてて開いた扉をくぐり抜け、俺は教室に入ったワケなんだが……。



「あり?」


誰もいないんデスガ。


俺ホンキで泣いちゃうよ。

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