鬼と天使と少年と、
ちょっち涙目で落ち込みつつも教室を見渡す。


教室は結構広くて中等部よりも造りが立派だ。さすが高等部。


にしても何で誰もいないんだろう?
まさかの課外授業中だとか…。うっわ、ツイてない。


俺が教室に入っても物音がしないことに気づいたのか、廊下で待機していた薄情者(倭草と雨乱)達も教室に入ってきた。



「あん?ンで誰もいねぇんだ?」


「おかしいですねぇ…。課外授業、だとしたら先生のミスでしょうか」


「んー、とりあえずここで他のクラスメイト待っとく?」


「そうだな」「そうしましょう」



口々に言い頷く二人と共に、俺らは窓辺に行き、窓枠に腰を下ろした。


「……。」誰も喋らず、ただ沈黙だけが続いている。

でも別にたいして気まずくない。
むしろ気の置ける奴らがいるおかげで安心感が出てくるぐらいだ。


まぁおかげで?

ぐうたらっ子の俺はトーゼン睡魔に襲われるわけでして…。



ーこくっ、こくっ…



すっかりオヤスミモードに入る俺は、二人の話し声なんか耳に届かず。



ましてやこの教室に近づいてくる足音になんて気づくはずがなかったんだ。



ーバタバタバタっ



普段なら気づくはずの、複数の足音に。

< 33 / 220 >

この作品をシェア

pagetop