鬼と天使と少年と、
「ひっ……先に来てたああぁぁ……」


「シーッ!静かに!寝てるわよ、この子達……」


「はあ?ってことは大分前からここに居たのか……?」


「とりあえず起こしてみる?私、電撃魔法で起こすよ」


「「「いやそれ死んじゃうから」」」



天然なのか小悪魔なのか、ショック死させようとする女子生徒に3人がツッコむ。


今4人の目の前で寝ているのは噂の飛び級生。3人仲良く眠っている。



「むむむ……!この感じ、人間出身の魔法使いじゃないね」


「ほへ?3人共フツーの人間に見えるよ?」


「【呂坐】(ろざ)の言う通りよ。この3人、フツーの人間にしか見えないわ」



【呂坐】(ろざ)と呼ばれた少女に同意するよう、同じく女子生徒が腕を組んで言い放つ。



「んー、でもこの感じ。やっぱ3人中2人が人間じゃないぜ!
一人は……黒鬼の子で、もう一人は天使だぞ。なんなら確かめてみるか?」


「えぇ~、もしかしてアレやるの?」


「この子達に耐えれるかしら…?」


「やってみなければ分からないだろ。
【珀】(はく)、やってみろ」


「ほいさ!」



【珀】(はく)と呼ばれた少年、さっきからリアクションやらテンションが大きいこの男子生徒は、どうやらかなりの強者(つわもの)のようだ。


もう一人の男子生徒に命令されると、さっそく呪文を唱え始めた。

しばらくブツブツと呟いていたが、30秒くらいたつと、3人中2人に指を向けて叫んだ。



「θμγβmm(強制解放)!」


ーゴウッ


凄まじい音をたて、噂の飛び級生を包み込む光。



その音にピクリと反応した一人の飛び級生に、彗星組の4人は気づいていなかった。


そしてただ一人目をうっすらと開けた飛び級生こそが__、


主人公、佐雄である。

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