鬼と天使と少年と、
「んー、でも今日のは基本だけじゃなくて応用もテストされるってさ。だから落ちるかもしんないし……」


「なーに言ってんだよ佐雄!お前この前応用どころか黒魔術使ってたじゃねぇか。レベルが違ぇって」


「倭草の言う通りです。佐雄は謙虚ですねぇ。もう少し自信を持ってもいいのに」


「そう言われてもなぁ…」



二人の言葉を聞き入れても俺は頷きがたい。一応俺の長所は魔法技術が優れてるとこなんだけど……



「でもアレぐらい、お前らでも取得できると思うんだけど」


「はあ?!お前正気かよっ!黒魔術ってのは大人になっても使えるか分かんねぇ程スゲェんだぞっ?!
かーっ、これだから天才くんはっ…」


「でも確かに……。なぜ佐雄はそこまで魔法を使えるんでしょうか。佐雄は普通の人間……普通の魔法使いでしょう?」


「んー、そればっかは俺にも分かんねぇや」



フツー、俺みたいな人間出身の魔法使いは黒魔術とか白魔術を簡単に取得できないらしい。


それでも俺が取得できてんのは…………………天才だから?


………。
まっさかぁ…ンなわけないって。


なんてことを思っていると周りの女子達がザワつき始めた。


うあちゃー……。
テストのおかげで忘れてたけどぉ…。



「…わ、倭草。雨乱…っ。
 逃げるぞッ!!」


「お、おうっ!」「はいぃっ!」


女子一同「きゃああああああっ!!」



実は俺ら、この学校でちょいと有名なんだよね。

……なぜ有名かって?
そんなの…

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