鬼と天使と少年と、
「なっ…なんだコイツ?!」


「これ…【トロール】?」


「「「え"っ……」」」



トロールとは、

水中などに生息する邪悪な生き物。
中には人間の肉を好む者もいる。
鼻が長く猫背が多い。
餌を求めるため陸地に上がることも…。



「…これ、やばくないか?」


「っ、おいそこの飛び級生!こいつを何とかしてくれって!」


「はわわわわ~っ、もしかして私たち、死んじゃうのっ?」


「そんなの嫌よ!」



口々に叫ぶ先輩達を無視して、俺はトロールに呼びかける。



「この人たち、俺の友人を苦しめたんだ」


『ああ……やられたらやり返す主義だからなぁ…ご主人は……』


「っ、誤解だ!ただ俺たちは飛び級生の正体が知りたくて…!」


「それにしても、やり過ぎでしょう?先輩だからって許されると思わないでください」


『はは…相変わらず厳しいな…ご主人……。…で、…こいつら喰っていいのか……?』



途端、先輩達の顔が強(こわ)ばる。

だけど俺は気にもせずトロールに命令した。



「トロール、この人達、少しだけ痛めつけて。また今度、いい餌あげるからさ」


『仰せのままに……』



ゆっくり、だけど獲物から目を離さず近づくトロールに、先輩達は固まって動けない。

そのため、俺の出した蔓に難なく掴まり縛りあげられた。



「ぁぐ……っ」「つぅ…ッ」「はわぁっ?!」「何よこれぇ…っ」



苦痛に顔を歪ませる4人組。

ああ、ここからが本番さ……

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