鬼と天使と少年と、
だけど第三者の声によって、俺のお仕置きはあえなく失敗に終わる。



「さ、佐雄……?」

「なんですか、ソレは…っ」


「………起きたんだ。二人共」



俺の背後から聞こえた2つの声。

声の主は勿論わかっている。



「雨乱、倭草。もう大丈夫だよな?もう、痛くないよな?」


「はいぃ……。大丈夫ですけど、それより、」


「一体何なんだこりゃあ…?」



二人の視線の先にはトロール。

二人もトロールの危険さは重々承知しているだろう。


それ故の、恐怖。



「何って、二人を苦しませた罰だよ」


「は…?」「罰、ですか…?」



疑問符を浮かべる二人に俺は口角を上げて口を開いた。



「二人には二度と手出し出来なくなるように、俺がこの人達にちょっとしたプレゼントをあげるんだ」



そう言って微笑む俺は、背後にいるであろう二人の顔を見るため振り返る。


けど、



「佐雄…変、ですよ……?」


「お前、いくら何でもこれは……」



"やり過ぎだ"



そう言い放つ二人によって、俺の微笑みは崩れ無にかえる。


や り 過 ぎ … ?

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