鬼と天使と少年と、
あーあーあー。

全く世話が焼ける友人達だな。


二人にとって顔がコンプレックスなのは本人以外で俺だけしか知らない。

なんでかって?そりゃあ……


親しい奴にしか、んにゃ、"本当の自分を見てくれる奴"にしか話したくなかったからだと思う。

顔だけ見て寄ってくる輩と馴れ合うつもりはないらしい。


俺?俺は……俺からじゃなくてコイツらから寄ってきたんだ。

なんで俺を選んだのか…分からない。
なんかキッカケあったっけなー?って思ったけど、俺の記憶力では無理だった。


ま、いつかコイツらの口から聞くとして。


とりあえず今は、



「『Heavy Chain(重い鎖)』」


「「?!」」



ジャラッと音をたてて二人の体に鎖が巻きつく。苦しくても我慢、な。



「いい加減にしろってー。今日はテストだぜ?仲良く勉強しーましょ」


「佐雄……でもっ、ぐぎッ?!」


「反論は受け付けないからなー」

「………。」



ぎゅうぎゅうに倭草を鎖で痛めつける俺に雨乱から訴えの眼差しがあったがスルーの方向で。


俺はなーんも悪くないからな。
なーんも。

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