鬼と天使と少年と、



「爺ちゃん……どーゆうことだよ。新任教師とか聞いてないんだけどっ!」



ただいま中庭で爺ちゃんと駄弁り中…………と言っても、さっそくイケメン爺ちゃんは女子共に追いかけられているので、花壇の影でコソコソやってますが。



「そりゃそうだぇ。言ってないしのぅ」


「だーかーらーっ!それなら来るって昨日言ってくれればよかったじゃん!」


「んー……ダルい」


「~~ッ、(こンの老いぼれジジイ!)」



胡座(あぐら)をかいて座る爺ちゃんは、どこから取り出したのか、パイプ煙草でスパスパやっている。


しかも俺に向かって煙を吐き出すもんだから俺はゲホゴホとむせる形となった。



「げほっ……ちょっと…爺ちゃんってば聞いてんの?」


「おーぅ、聞きたくないぞぃ」


「聞くどころか拒否っスか?!」



思わずツッコんでしまった俺に対して、何故かツボった爺ちゃんは暫くゲラゲラひぃひぃ。


指差して大爆笑(なんと失礼な!)。



「とりあえずさ、なんでいきなり教師?」


「そりゃあー、可愛い孫を守るためだぇ。佐雄を苛めていいのは、わしだけだぞぃ」


「いやそれも間違ってるから」



しかもさりげにSを発揮しないでいただきたい。切に。

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