鬼と天使と少年と、
「だから、【闇喰いファミリー】に入らないか……っていうか、入れ」


「まさかの強制?!」


「アンタが気に入ったんだよ。面白いし、……闇が深い。

最高の人材だよ、アンタ」



まったく嬉しくないのですが。


っていうか、闇?
どーゆうこと?


俺が頭に「?」を浮かべていると、十六夜さんは俺から視線を外し、どこか遠くを見ながら口を開いた。



「諦めねえから。佐雄、また迎えにくる。そん時は、目一杯苦しんだ姿を見せてくれること、期待してるぜ?」


「っ……俺は、」



紫眼を妖しげに光らせる十六夜さんに反抗しようと口を開いた俺だったが、十六夜さんに目を覆われてしまった。


おかげで暗い。

指の隙間から辛うじて光が見えるくらいだ。



「ちょっと十六夜さ……っ?!」


「またな……佐雄」



そしてスッと手が離れたかと思えば、そこに十六夜さんの姿はなく……。


急に視界が開けたもんだから、太陽の眩しさに顔をしかめていた。



「………ほんと、変な人だよな…」



そうポツリと呟いた俺の言葉は、誰もいないシンとした廊下に響いたのであった。

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