鬼と天使と少年と、
「うぬぅ……しかし【闇喰いファミリー】の十六夜が相手とは……こりゃ本格的に…いやいや、あの若僧にはまだ負けんぞぃ。………しかし、…」


「………?」



顎に手をおいてブツブツ言ってる爺ちゃんに俺の話を聞く余裕はないみたいだ。


あーあー、ていうかもう授業始まってるよねコレ。完璧遅刻だよね。


爺ちゃんもさりげに教師の仕事サボってますよね。オイそれでいいのか新任。


なんてグチグチ思っていると不意に爺ちゃんが俺に視線を向けてきた。


……相変わらず浮遊したままだから、見下されてる感パねぇわ。



「佐雄、あやつに闇を見せてはならんぞぃ。見せたら最後…………お前は生きる屍になりかねんからのぅ」


「は…?いきなり何言って、」


「ファミリーはあやつら若僧だけじゃないことよ。【影月(かげつ)ファミリー】【色々ファミリー】【舞創(ぶそう)ファミリー】………。

最近表立っておるのはこれら4つの組織だぇ。いつ・どこで・だれと、神出鬼没だからのぅ……滅多に会うことはないと思うのだが、気をつけるんだぇ」


「う、うん……」



どう危険なのか俺には全く理解できなかったけど……



「もしこやつらに会って闇を晒せば…………佐雄、どうなるか分かっておるよのぅ……?」


「はぃいいいッ!!」



ただひとつ分かること、


アンサー
爺ちゃんが一番怖ぇえっす。


ファミリーに何かされる前に爺ちゃんに殺られるって、絶対!

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