差し伸べされた手
中学一年、それはとても楽しかった。
新しい友達も出来て、幸せな一年を過ごした。
あっという間だった一年間、ずっとあのクラスで良いのにな…

春休みが終わって中学二年へとなり、新しいクラスに変わった。
親友のさおとは同じクラスになれたんだ。

「ねぇ、私達の担任やばいよ」

さおが私の机の前に来て、苦笑いしながらそう言ってきた。

「何々?」

「すーんごい顔がごっつくって、すーんごい怖そうな先生なの」

眉を寄せながら最悪と言わんばかりにさおは小さな溜め息を吐いた。

「うわ…最悪だね」

怖い先生と聞いた瞬間、私もさおと同じよう溜め息を吐く。

すると、教室のドアが勢い良く開いた。
< 2 / 3 >

この作品をシェア

pagetop