アンバートリップ

「お好きな席へどうぞ」

「え……、あ、はい」




 私は、引き寄せられるようにカウンター中央の椅子へ腰を下ろし、しまったと後悔した。


 店内はそこそこ広く、レトロ調のテーブルと椅子が窓際に幾つも並んでいる。


 見た所、客は私だけなのに、わざわざカウンターに座るなんておかしな行動を取ってしまった。



 焦って言い訳がましくなる。



「あの、あなたの瞳の色が気になって、つい」






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