アンバートリップ
(私は、何を言っているんだろう)
赤くなって俯むくと、手慣れた様子でコースターと水入りのタンブラーを置いて、若いマスターは優しく微笑んだ。
「皆さん気になるみたいですね。あるお客様には『金色のコンタクトをはめているのか?』と尋ねられ、よくよく観察されました。ですが、コンタクトは入っていません」
「金色と言うより、むしろ」
琥珀色。
そう言いかけて、馬鹿げた想像がフッと浮かぶ。
(まさか……ね)