アンバートリップ
「お小言マシン?」
電話越しの珀が可笑しそうに繰り返す。
「そうよ! お小言しか言わないロボットみたいな奴」
珀は澄んだ声で笑った。
「そんなロボット、嫌だな~」
「でしょ? でも、残念! そのロボットはこの家にいるのよ」
「ロボットと、結奈の対決は、面白そうだね」
「珀が退院したら、嫌ってくらい見ることになるよ」
「楽しみだな~」
電話の向こうで、琥珀色の瞳が輝くのを想像し、ぱあっと嬉しくなる。
「あ、楽しみと言えばね! 来週、林間学校なんだよ。珀も私と同じ班になったんだ」