アンバートリップ
一瞬の沈黙があり、おそらく義父が階段の上を気にした頃、私は既に自室のベッドの中だった。
母だけでなく義父の声も十分響いていたから、部屋の扉をほんの少し開けておけば、会話は丸聞こえだった。
目の裏側がグルグル回り出す。
母の金切り声がそれに拍車をかける。
「結奈を理由に話を逸らさないで! 私はこんなに努力しているのに、あなたはちっとも珀の面倒を見てくれないじゃない! 珀はあなたの子供なのよ!」
ピリっと空気が張り詰めた。
「……どういう意味かい?」