アンバートリップ
明らかに、義父の口調が変わる。
(あ~あ、お終いだ)
布団の中で思う。
しまった! と口をつぐむ母が容易に想像できた。
義父が冷淡に続ける。
「君が珀の面倒を見てくれていることには、とても感謝している。だけど、それは君が申し出たことじゃなかったかい? 君が『治療費もかさむし、珀の事は全て私に任せて、あなたは仕事に専念して』と言ったじゃないか。それは家族の役割分担を考えた、珀の母親としての意見だと思っていた。だけど、違うのかい?」
「それは……」
「とにかく、時間を掛けていられないんだ。それは分かるだろ? もし君が、珀の世話が嫌だと言うのなら、珀を重荷でしかないと感じているのなら、僕らは、別々の道を歩むべきなのかもしれない」
「そんな! 私はただ」