アンバートリップ

 そんなやりとりの最中、珀の姿が薄れ始める。

 私はまた一口、コクリとドリンクを味わった。




「さてと、結奈をおちょくるのはこの辺にして、本題に入らなくっちゃね。あんまり時間もない事だし」

 悪戯っ子の表情を引っ込め、珀が大人びた微笑みを向ける。

 心が洗われるような琥珀色の輝きに、懐かしさが込み上がる。






「結奈、君はそろそろ目覚める時間だよ」







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