アンバートリップ

「あら、丁度良かったわ。今スコーンが焼き上がったところよ。お茶にしましょう」

 グランマが大きな身体を揺すって、家の内側から手招きをしている。



「おお。なら、結奈のパパを呼んでくるから、先に部屋へ入っておいで」

 私の頭をチョンと撫でて、グランパが生垣の方へ歩いて行った。



イギリスの片田舎で、パパは今、グランパの指導を受けながら生垣の編直し作業に挑戦中だ。


 清々しい空気を思い切り吸い込んでから、私は貰った手紙を持って家の中へと入った。




< 230 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop