あの日、あの夜、プールサイドで


そして………
寧々の母親は騒ぎを聞いて病院に現れるなり


「寧々…!!寧々……!!!」


狂ったように寧々のカラダにすがりつき、泣き叫んでいた。




母親は父親の凶行を何一つ知らなかった。
こんなことになっているだなんて何一つ気づきもせずに。

次の休みに寧々に会いに行けるのを楽しみにしていたのに、どうして…!!と傷だらけになった寧々に涙ながらに訴えていた。




父親の凶行から寧々を守りきれなかった母親

バカな母親





寧々が虐待されてた時も、今も、この人は寧々を何一つ守ってなんてくれなかった。



愛してる



そんな言葉は何度も何度も吐くクセに、結局のところ、大事なところで、いつも寧々を救えない、バカな母親。



「寧々…、ごめんね。
寧々……!!!」



――反吐が出る。




愛してる、なんて口だけじゃないか。


結局のところ、アンタは寧々のコトなんて何一つ愛しちゃいない!!


アンタがいつ寧々を救ってくれた??

いつ守ってくれた??

アンタは寧々のことを一度も助けてくれなかったじゃないか!!

見過ごして、見逃して、アンタはいつも寧々のSOSに気づかない。



結局アンタが愛してるのは自分じゃないか!!



そんなモノが愛だなんて認めない。

俺は絶対、認めない!!

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