あの日、あの夜、プールサイドで


イラッときた俺が月原のヤローをギロリと睨むと


「話したよ??
あたりまえだろーが。」

「…は??」

「騙す方より騙される方が悪いんだよ。」


月原はフフンと笑いながら、こんな恐ろしいコトを言い始める始末。



――なっ…!!

なんてヤツ!!
コイツが教師だなんて、なんか世の中間違ってないか!!?



世の中の不条理を感じて悪徳教師・月原和也をギロリと睨むと



「おーっと、噛みつくなよ?
俺はよかれと思ってやったことなんだからな??」



両手を上げて降参のポーズを作ったまんま、クスクスと月原は笑い始める。



――ムカツク…

コイツ、絶対に俺をバカにしてるだろ。



「そんなの俺は頼んでない!!」



なんかムカついて

自分の境遇を売り物にされたみたいで腹が立って、思わず声を荒げて月原に詰め寄ると



「頼んでなくても頼まれなくても、俺はこれが最善だと思ったんだよ。」


「は??」


「俺たちみたいな人間が人並み以上まで這い上がるにはな??利用できるものは全て利用し尽くすしかねぇんだよ。」



そう言って、悪魔な目をして月原はクククと笑う。



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