あの日、あの夜、プールサイドで
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その日の夜。
俺がいつものように愛児園の食堂で一人で晩御飯を食べていると


「おかえり、コウちゃん。」


真彩がひょいっと食堂を覗き込む。




「ただいま、真彩。」


バカオンナを見たあとに真彩を見ると可愛くて可愛くてたまらない。

真彩はお風呂上がりなのか髪の毛がほんのり濡れてて、甘くて優しい、いい匂いがする。



かわいいな~。
俺の好きなのはやっぱ真彩だ。


柔らかくって
素直で素朴な彼女が俺はやっぱり大好きなんだと思い知る。



「コウちゃん、隣に座ってもいい??」


「うん。いいよ?」


「迷惑じゃない??」


「迷惑どころか大歓迎!
一人でご飯食べるのって味気ないんだよ。」



真彩の可愛い問いかけにクスクス笑いながら彼女を呼び寄せると


「良かった。
疲れてたら悪いなぁ、って思ってたの。」


安心したように真彩が笑う。



わかってないなぁ、真彩は。
俺はどんな時でも真彩に会いたいと思ってるし、一緒にいるだけで疲れも何もかも全部吹っ飛ぶっていうのに。




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