あの日、あの夜、プールサイドで
だけど……

だけど……


「うるさいな。
俺は真彩のコト、大事にしたいんだよ。
ヤリたいだけのオマエと一緒にすんな。」


ギロリと睨んで、自分のベッドに足を向けると


「大事になんてしてねーじゃん!!」


ジュンは俺の背中に向かって叫び出す。



「は??」


「ただ横にはべらせて、見守らせて、都合のいい時だけ甘えて、すり寄って!真彩に彼氏らしいことの一つもしてやらねぇで……自分の都合ばっかり押し付けて!!」



――な……に……??



「今までアイツがコウちゃんに何かをねだったことがあったか??ワガママ言って困らせたことが一度でもあったか??
アレは真彩がアンタに初めて言ったワガママなんだ。それくらい……カレシなら聞いてやれば良かったんだ!!」



コイツ……!!!!



そこまで言われて頭の中にある理性という名のネジが吹き飛んだ、俺。


踵を返してジュンの胸ぐらをグッと掴み


「なんにも知らないくせに、好き勝手言うな!!」


怒りに任せて思いっきりアイツの頬をぶん殴る。


オマエが言うな!!
真彩と俺のコトなのに、なんでコイツにここまで言われなきゃならない?!


< 149 / 307 >

この作品をシェア

pagetop