あの日、あの夜、プールサイドで
「寧々のコトはもちろんスキだけど、それは妹としての感情だ。真彩への気持ちとは全く違うものだから、比べられない。」
真っ正面から俺を見据えるジュンの視線をそらすこともせず、こっちも真っ向勝負で真っ正面から言い切ると
「じゃあさ?
寧々がもし生きてたとして。
寧々が今のコウちゃんと同じ年になってさ?“抱いて欲しい”って言ったらどうする??」
「……は……??」
ジュンはこんな意味のわからないコトを言い始める。
寧々が俺と同じ歳??
意味わかんない。
寧々とおれとは8つも歳が違うんだぞ??
アイツが俺と同じ17才になったときには、俺は25才。
うげ……キモイ。
うわー、ありえない。
25歳なんてオッサンもオッサンじゃん!
「……ありえない……。」
「ほんとか??」
「だって25才と17才だぞ??
どう考えても気持ち悪いだろ。」
真彩も真彩だけど、ジュンもジュンだ。
俺と寧々の歳の差を考えてみたら、ありえないってことぐらいわかるだろうに。
なんだか怒る気も失せてきて
ジュンから視線を反らしてハァとため息を吐くと
「でも……そう言いながらも、いざとなったらコウちゃんは寧々を抱くよ。」
「は??」
「コウちゃんにとって寧々は特別だから。同じ状況になったら迷いながらも抱くよ。きっと。」
ジュンはこんな頭のイタイことを言い始める。